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堺市南区にて劣化し始めていた漆喰の詰め直し工事を行いました

皆さんこんにちは、街の屋根やさん堺店です！

今回は堺市南区にて漆喰の詰め直し工事を行った様子をご紹介します。
住宅を購入してから１５年程が経過し、そろそろメンテナンスを検討されていました。早めに点検依頼を頂いた事で、大きな被害もなく最低限の補修で済みました。

現地調査の様子はこちら
▶堺市南区で瓦屋根点検｜綺麗に見えても漆喰の劣化や瓦ズレがありました
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工事の前に『漆喰の基礎知識』をご紹介します

漆喰とは漆喰は石灰が主成分で、防水や接着の機能がある建材になります。
瓦屋根においては、頂上（棟）の瓦と瓦を接着し固定をして、更に瓦の内部にある葺き土に水を浸透する事を防いでくれています。

漆喰は完全に隙間を埋めている様に見えるが、高い通気性を持っている為、高湿の場合は湿気を吸い込み、乾燥すれば吐き出すという性質まで兼ね備えています。

漆喰は天然の加湿・除湿器の役割を担える、屋根にとって非常に重要な建材と言えるでしょう。

漆喰詰め直し工事の様子

まずは漆喰メクリ

まずは既存の漆喰を剥がす『メクリ』を行います。

ロックピックなどを使用して漆喰を剥がすと、中から瓦を固定させる為の『葺き土』という土が出てきます。
出てきた漆喰や葺き土を綺麗に清掃し、残った葺き土の表面を刷毛で整え水分を含ませておきます。

→A.後から乗せる漆喰をしっかり密着させる為です。
土台をしっかり整えて湿らせておかないと、漆喰が密着せずすぐに剥がれる原因になります。
工事の時だけでなく、お客様がこれからも安心してお過ごしいただく為に必要不可欠な工程です。Q.葺き土に水分を含ませておくのはなぜ？

大屋根以外の漆喰もめくっていきます。

葺き土は瓦を葺いた当初は水分を含んでいますが、漆喰の劣化と共に乾燥していきます。
乾燥して痩せた土では瓦の固定力が下がり、進行すると瓦のズレ・歪みに繋がってしまうのです。
今回、既存の漆喰に変色や欠落は見られたものの、早めに依頼していただいた為、瓦のズレや歪みがなく漆喰詰め直しのみで済みました♪

Q.もし瓦のズレや棟の歪みがあった場合、どんなメンテナンスになる？→A.瓦を一旦外して積み直す『棟瓦取り直し』という少し大規模な工事が必要になります。
工事が大がかりになる分、費用もかさんでしまう為、ズレや歪みが出る前に漆喰メンテナンスを行うことをおススメします！

漆喰を混ぜて塗っていきます

漆喰材と水を混ぜて漆喰を作ります。
この時、水分が多すぎても少なすぎても上手く仕上がりません。
適量を見極めるのも職人の技です！

Q.漆喰の原料は？→A.主な原料は『消石灰（水酸化カルシウム）』です。
空気中の二酸化炭素と反応し固まる性質を持ちます。

新しい漆喰を詰めました！

漆喰詰め直し工事　完了後　漆喰が雨に濡れないように、のし瓦より漆喰がはみ出さないように塗る

職人が専用のコテを使用して漆喰を塗りました。

漆喰はたくさん塗れば塗るほどいいというわけではありません。
漆喰に厚みがあると、雨が漆喰に当たり浸透して内部に入り込んでしまったり、雨が当たる事で漆喰自体も劣化しやすくなります。
その結果、雨漏りや棟の歪みなどに繋がる為、のし瓦の先端から漆喰はある程度距離を取っておかないといけません。水分量、塗り方、塗る量どれか一つでも間違っていると綺麗に仕上がらず、長持ちしません。

Q.元々の漆喰の上に新しい漆喰を重ねてはダメ？→A.『漆喰詰め増し』と言う既存の漆喰に上塗りする工事もありますが、ほとんどの場合おススメしません！
新しい漆喰を上塗りしても、下にある古い漆喰との間に隙間ができやすく、すぐに剥がれ落ちてしまう可能性が高い為です。
また、本来の漆喰の適量を超え、瓦より漆喰が飛び出すと雨に当たりやすくなり、雨漏りや劣化の原因になってしまいます。
知識がなかったり、手間を減らそうとする悪徳業者は『詰め増し』を勧めることもあるようですが、すぐにダメになり、結果的にお客様の負担が大きくなってしまいます。
漆喰工事は基本的に『詰め直し』か『棟瓦取り直し』のどちらかと覚えていただくといいと思います。
▶傷んだ漆喰の詰め直し、棟瓦の取り直しで瓦屋根を健全に保つ

下屋ののし瓦を正しい場所に戻し、漆喰を詰め直しました。

瓦がズレていた箇所はこちらのみで、簡易的な修正で済みました。
▶ちょっとした屋根の補修も街の屋根やさんにお任せください

鬼瓦周辺にも漆喰を塗りました。

鬼瓦とは装飾や厄除けの為に棟の先端に取り付けられる、屋根の中で最も大きな瓦です。
鬼瓦の周りに塗っている漆喰は、のし瓦の下に塗る『面戸漆喰』に比べると紫外線や雨風に直接当たる為、劣化しやすい箇所です。重くて大きな鬼瓦が落下すると、大きな被害を受ける事もある為、点検の際はしっかり見てもらうようにしてくださいね。
▶重くて硬い瓦の落下は二次被害を招きます、だからメンテナンスが超重要

漆喰詰め直し工事が完了しました！

欠落や変色が見られた漆喰の詰め直し工事が完了しました！

詰め直し工事を行った事によって、瓦を固定する強度が上がっています。
また、詰め直した漆喰は白くて美しく、見ていてとても気持ちいいですよね。
お客様にも『漆喰のメンテナンスだけで綺麗になって嬉しい』と言っていただきました（＾＾）♪

瓦屋根の瓦自体は非常に耐用年数が長い屋根材ですが、瓦を固定する『漆喰』については１０～１５年程度でメンテナンスを行う必要があります。
漆喰の劣化を放置すると瓦のズレや雨漏りに繋がり、工事も大規模になってしまいますので、なるべく早めの点検・メンテナンスをおススメします。
▶4つのチェックポイントで瓦屋根の点検・メンテナンスのタイミングを知ろう

次回は外壁の補修・軒樋の清掃・換気口の補修の様子をご紹介します♪

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