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現場ブログ
堺市美原区｜木造住宅の屋根を初め雨樋や外壁などに不具合が発生

こんにちは、街の屋根やさん堺店です。
堺市美原区にて、築年数が経過し屋根や建物全体に不具合がないか見てほしい！
とご依頼があり、現地調査を行った様子をご紹介させて頂きます。

点検・調査・お見積など無料で承ります！
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今回、現地調査を行った建物はこちらです。

建物詳細　木造住宅・２階建て
築年数　　約４０年程度
屋根材　　釉薬瓦
相談内容
長年建物のメンテナンスを行っていない為、屋根や建物に不具合がないか見てもらいたい。

屋根など高所にある為、普段見れないので不安ですよね。不安が解消できるようにお手伝いさせて頂きます！

■　現地調査の様子

屋根は全体的に経年劣化が進行していました！

漆喰の剥がれ・屋根馬脚部の破損や錆が瓦に流れていました。
詳しく各部位の不具合を確認していきたいと思います。
▶屋根お役立ち情報

１．現地調査：大屋根

1-1 大屋根：棟瓦

棟瓦には歪みや漆喰の劣化によってのし瓦がズレていました。

こちらは築30年以上の木造住宅で、棟の施工方法が棟部に葺き土を盛り冠瓦やのし瓦を銅線で巻いて固定する
旧工法の『大回し工法』でした。
葺き土の粘着力で維持されている工法の為、葺き土の劣化で瓦の固定力が低下してしまいます。

今回の【棟の歪み】や【漆喰の劣化によるズレ】などは次の様な要因が考えられます。

要因①：漆喰や葺き土の劣化棟瓦と下にある平瓦には隙間が出来る為、漆喰を葺き土の外に塗り葺き土に雨が当たるのを防いでいます。
元々漆喰は、多少の調湿性があり水分を吸収したり放出したりしていますが、徐々に硬くなります。
次第に葺き土と漆喰の間に隙間ができ、漆喰が弱くなった時に強風や地震等の振動によって棟や葺き土が
潰れ動く事で、漆喰を押し剥がれが起ります。
結果的に、瓦のズレに繋がってしまうのです。

要因②：棟瓦を固定する銅線の劣化棟瓦は銅線で固定されていますが、外気に晒され続ける事で経年劣化し銅線に傷みや緩みが生じます。
その結果、冠瓦がズレてしまう場合があります。
ズレが悪化すると、冠瓦が落下し周辺の瓦を割ってしまう危険性がある為、補修が必要です。
銅線の劣化は瓦の固定力が弱くなり、棟の歪みにも繋がります。

1-2 大屋根：漆喰には施工不良が見られました！

漆喰の塗り過ぎや、瓦・漆喰周辺にコーキングなどの施工不良が見られ、このままでは雨漏りの原因になってしまいます。
今回のお宅では、どの様な施工不良があったのでしょうか？

施工不良①：漆喰の塗り過ぎ漆喰は高く積まれる瓦を固定させる為に、棟全体に使用されています。
漆喰がのし瓦等の一番下の列と同じ程度まで厚塗りしてしまうと、屋根に降り注いだ雨水を漆喰が吸ってしまい、その水分が下地材へ入り込んでしまいます。
すぐに雨漏りの発生にはなりませんが、数年で漆喰の剥がれや雨漏りが起きてしまうのです。

施工不良②：漆喰周辺のコーキング漆喰部分に剥がれなどがあると、漆喰の上からコーキングを使用して固定すれば良いと思われるかもしれません。
しかし、漆喰には通気性がありますが、反対にコーキンングには通気性がなく、漆喰部分にコーキングを行う事によって通気性が悪くなってしまい、腐食する可能性があるのです。
漆喰とコーキング剤の特質は異なる為、安易に使用してはいけません！

施工不良③：誤ったラバーロック工法棟瓦は風雨の影響を受けやすい箇所で、瓦のズレ防止などにはラバーロック工法は有効です。
のし瓦が交互に積まれているT字部分にコーキングを行うのが正しい施工です。
瓦周辺を全てコーキングし瓦下の空間を密閉してしまうと、内部に湿気が溜まり屋根下地材・ルーフィングや野地板を腐食させていまう事になってしまいます。
腐食が進行してしまうと、屋根の葺き替えなどが必要になってきます！
▶本当に地震・強風に強い？ラバーロック工法

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1-3 大屋根：瓦

瓦には割れや穴あきが見られました。

瓦は強度が強い優秀な素材ですが、年数の経過と共に耐久性が低下し割れやすくなっています。
そんな中、台風や強風時に飛来物の衝撃によって、ひび割れや穴あきが起こってしまったのでしょう。

また、築年数が経過している建物には、瓦を固定する為に鉄製の釘が使用されている場合があります。
鉄は水分や湿気によって錆て膨張してしまう性質の為、鉄釘が膨張してしまうと釘穴が圧迫され瓦の割れ
に繋がってしまいます。
現在では、ステンレス製の釘を使用しているので、以前の鉄釘の様な劣化や錆の原因も少なくなっています。
▶建材や住まいの大敵　含水・凍害への対処方法

1-4 大屋根：谷樋

谷樋は全体的にサビが発生していました。

谷樋は屋根と屋根の重なり合った境目部分にある、雨水を適切に排水する為の樋の一種です。
使用される素材には金属系が多く、こちらも亜鉛メッキ鋼板が使用されていました。

金属系の谷樋には、鉄の表面に亜鉛メッキが施されています。常に雨水が集中する為、亜鉛メッキが剥げやすく鉄が露出する事で、サビが発生したと考えられます。
▶屋根で最も雨漏りしやすい部分【谷板金】の修理方法

1-5 大屋根：アンテナ

アンテナを固定する支線（ワイヤー）のたわみや、屋根馬が錆びて破損していました。

アンテナの支線は、複数の方向からアンテナを引っ張って、どの方向にも倒れない様にします。
この支線が緩むとアンテナがずれ、受信不可能になる場合があり支線の張り直しが必要です。

また、アンテナの台座となる屋根馬は鉄製が使用され、錆て屋根馬の脚部が外れていました。
表面に塗装はされていますが、雨に侵食され塗装が剥がれて錆が発生します。
屋根馬が錆びると、アンテナの耐久性が低下し金属部分が脆くなってしまい倒壊してしまう事も・・・
周辺の瓦の割れ・棟の歪み・アンテナの落下などが起り大変危険です！

２．現地調査：下屋

2-1 下屋：平瓦

平瓦の欠けた部分に漆喰などが詰められていました。

おそらく以前に行った漆喰補修の際に、瓦の欠け部分も一緒に漆喰を詰めたと考えられます。
漆喰は水分を吸収しやすい為、屋根に降り注いだ雨水が屋根内部に浸透し、屋根下地材のルーフィングや野地板の劣化を引き起します。
瓦の欠けがある場合は、瓦の差替えが必要です。
▶屋根工事の現場で見た誤った施工事例

2-2 下屋：隅棟・鬼瓦

隅棟にある鬼瓦には少し浮きが見られました。

鬼瓦には雨仕舞い（雨の侵入を防ぐ構造）の役割があります。棟の中には葺き土や漆喰が塗られ、鬼瓦で蓋がされているのです。

棟の漆喰が劣化すると漆喰の剥がれや葺き土が流出し鬼瓦の浮きが起ってしまいます。
また、鬼瓦は棟と銅線で繋がっています。
固定用の銅線を下地に固定し鬼瓦と連結している為、固定用の銅線が劣化し切れてしまうと、鬼瓦が落下する恐れがあります。
その場合は、漆喰の補修で鬼瓦の部分補修が可能です。
棟の積み替えなどの大規模な工事となる前に、早期の補修が重要です。

３．付帯部

3-1 雨樋

雨樋の劣化によって、破損・詰まり（コケや土埃）・歪み・オーバーフローなどの不具合が起っていました。

こちらのお宅では、塩化ビニール製の雨樋が使用されていました。
軽量で施工がしやすい為、多くの住宅で用いられている製品です。
しかし塩化ビニールは紫外線に弱い特性があり、築10年以上になると劣化が進行し、20年前後になると上記画像の様に破損や歪みなどの不具合が起ってしまいます。

大雨時には屋根から勢いよく流れ出した雨水は、破損や歪んだ箇所から雨水が溢れ出します。
隣家の外壁にかかったり、雨水の跳ね返りで建物内部に浸透し構造材を腐食させてしまう事もあります。
雨樋の破損や歪みがある場合は、雨樋の交換が必要です。
▶雨樋工事でお家を雨水から守る！

４．ベランンダ

4-1 ベランダ外壁

ベランダのモルタル外壁には、ひび割れが発生していました。

ベランダの外壁など、紫外線が強く当たる箇所は、劣化スピードも速くひび割れが発生しやすくなります。

モルタルは防水性が低く、仕上げに塗装を施して防水機能を上げています。
表面の塗装が劣化すると、雨天時に雨水を多く吸い込みます。
晴れると乾燥する為、膨張と収縮が激しく起こりひび割れしやすい環境となってしまいます。
２階などは目につきにくく、症状が悪化してから気付く事が多いので、注意が必要です！
▶屋根・外壁塗装で防水性を回復させる！

4-2 格子の外れ

ベランダの格子が外れています。

格子は、半永久的な強度の締結力を得られる特徴を持つ、”リベット”で固定されています。
しかし風雨などに晒される為、徐々に錆などの経年劣化によってリベットが緩み、格子が外れてしまう事があります。
外れた格子はビスを使用して部分補修が可能です。

〖リベットの構造〗
リベットはフランジ部とシャフト部から構成されており、シャフトをかしめる事で、フランジに変形を与え締結を行う構造となっています。

〖かしめ・加締め〗
穴の開いた板状のものを重ね、外れない様に固定する方法。固定はリベットと呼ばれる金属部品を変形させる。

〖必要な工具・リベッター〗
リベットを締結させる”かしめ作業”を行う際に必要な工具となります。

５．現地調査が全て完了しました！

5-1 ご提案内容

本日の現地調査は全て完了しました。
お客様に不具合箇所の画像を元に、現状のご説明をし工事のご提案をさせて頂きました。

ご提案内容

・大屋根→葺き替え工事
・下屋→部分補修
・雨樋→全面交換

建物は建った瞬間から、経年劣化と言う新たなスタートを切って行きます。
建物には、木・金属・樹脂など様々な建材が使われる為、個々の劣化スピードが異なります。
適切なメンテナンスのタイミングを見極めて、お手入れしておく事が、大切な我が家を長持ちさせるコツと言えるでしょう！

街の屋根やさん堺店では、無料の点検やお見積を行っていますので、お気軽にご相談下さいませ。
▶屋根の点検・メンテナンスのタイミングを知ろう！
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