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屋根葺き替えと屋根カバー工法 どちらを選ぶのが正解?
屋根葺き替えと屋根カバー工法の違い
これまでの屋根を解体・撤去し、新しい屋根に葺き替える工事のことです。
現在の屋根をほぼそのまま残し、その上に新しい屋根を載せて覆います。ほとんどの場合、ガルバリウム鋼板の屋根材を使用。
屋根葺き替えと屋根カバー工法、どちらも屋根が新しくなるという点では同じですが、どちらを選ぶのが正解なのでしょうか。
価格の面で有利なのは屋根カバー工法ですが、それだけで決めるのもちょっと乱暴ですよね。大切なお住まいのことですから、それぞれメリットとデメリットを吟味した上で選びたいものです。
屋根葺き替えを検討している方も、屋根カバー工法を考えている方もそれぞれ納得できる結論が出てから工事を申し込んでも遅くはないのです。
屋根葺き替えと屋根カバー工法のメリットとデメリット
現在の屋根により、使える屋根材は異なります
屋根葺き替えと屋根カバー工法のメリットとデメリットで、まず抑えておきたいのが屋根カバー工法。
カバー工法は瓦屋根には施工できない(できないことはないが現実的な施工ではない)ということです。必然的に瓦屋根の大規模リフォームは屋根葺き替えか屋根葺き直しということになります。また、屋根カバー工法は屋根の劣化状況によっては施工できないことも覚えておきましょう。
屋根葺き替えは全ての屋根で施工可能だが、使用できる屋根材が制限されることも
「これまではカラーベスト(スレート・コロニアル)の屋根だったけど、歳を取ったせいか、和風の家に興味が出てきた。屋根リフォームでぜひ、和瓦の屋根にしたい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
残念ながら、カラーベストの屋根を瓦屋根にするのはお勧めできません。建物というのは外壁材や屋根材の重さに応じて柱や耐力壁の数が決められます。
瓦屋根の建物は瓦の重さに耐えられるような構造で造られますし、スレート屋根の建物はスレートの重さに耐えられるような構造で造られています。スレート屋根の建物で瓦の重さに耐えられるような構造で造られることはほとんどないのです。
屋根材の選択肢が多い屋根葺き替えですが、以上のような理由から選択範囲が狭まる可能性もあります。基本的にこれまでより重い屋根材に葺き替えるのはNGです。
各屋根材の重量
屋根カバー工法による重量増は?
屋根葺き替えではこれまでより重い屋根材はNGでしたが、屋根の上に屋根を被せる屋根カバー工法ではどうしても重量が増してしまいます。
スレート屋根に屋根カバー工事をした場合、どの程度、重量が増してしまうのでしょうか。気になるところです。
重ね葺きによる重量増は1㎡あたり約6kgになります。1㎠あたりに換算しますと、0.6gなのでさほど気になる重さではありません。これまでの屋根と合わせた重さは23~26.5kgになります。通常の瓦屋根の場合、1㎡あたり約60kgですから、屋根カバー工事をしたとしても半分以下の重さなのです。
屋根カバー工法の耐震性について気になる方はご自分で耐震性をアップさせよう
前述のように屋根の軽さは耐震性に大きく寄与します。
屋根カバー工法による重量増は1㎠あたり0.6g。こう書くと全く問題ないように感じますが、1㎡あたり約6kgです。こう表記されてもピンと来ませんよね。
では「屋根の重量がこれまでより30%増します」としたらどうでしょうか。かなり影響しそうな気がします。現在、多数の建材メーカーで屋根カバー工法が行われることを前提として屋根材を製作しています。
このことからも分かるように1㎡あたり約6kg程度の重量増は問題にならないようです。どうしても気になるという方は屋根葺き替えという選択もできます。
さらにもっと簡単にご自分で耐震性をアップすることもできます。お住まいが2階建て以上の場合、上層階にある重量物を1階へと移動すればよいのです。
縦180cm・横90 cmの一般的な本棚に本を満載した場合、それだけで350kgになります。読書好きという方はこのような本棚を何個も並べているのではないでしょうか(2個で700kgです)。これらが上層階にある場合、1階へ降ろせばそれだけで耐震性がアップします。
屋根リフォームを検討していない方も重量物の1階への移動はぜひ実行してください。
屋根カバー工法は強風に弱くないですか?
屋根の上に屋根を被せる屋根カバーですが、台風などで飛んでしまう可能性はないのでしょうか。
屋根材1枚1枚をビス止めしていますので大丈夫です
屋根カバー工法というと「カバー」という語感から屋根を被せただけものという印象を受けますが、これまでの屋根に屋根材1枚1枚をビスでしっかり固定しています。これまでの屋根と同じくらいの耐風性がありますので、ご安心ください。
屋根カバー工法の耐用年数は?
屋根葺き替えと較べると簡易的な工事のため、耐用年数が短いような気もします。長く、安心して住みたいので、だいたいの耐用年数を教えてください。
メーカー保証期間以上の耐用年数があります
ガルバリウム鋼板を使った金属屋根材でも各メーカーによって違いがあるのですが、保証期間は概ね15~20年となっています。したがって、これ以上の耐用年数があります。しっかりとメンテナンスをしていれば、さらに寿命を延ばすことも可能です。
長く雨漏りしていたけど、屋根葺き替えは可能?
2階の1室が雨漏りしています。数年前からの雨漏りなのですが、雨漏りしたり・しなかったりが続いていたので、放置していました。このところ、雨漏りが酷くなってきたので何とかしたいのですが、傷みが酷くても屋根葺き替えはできるのでしょうか。
傷みのひどい部分はしっかり補修してから屋根葺き替えを行います
まずは点検を行い、「どの程度の工事になるか」、「どの程度の金額になるか」をお伝えします。屋根葺き替えはこれまでの屋根をすべて撤去してしまうので、傷みが酷い部分もしっかりと補修することができます。まずはお気軽にご相談ください。
屋根リフォームに悩んだらご相談ください!
屋根葺き替えと屋根カバー工法、どちらもメリットがあり、デメリットもあります。
どちらにするかお悩みの方は「現在のお住まいにこれから先、何年住むか」で考えてみたらいかがでしょうか。それによっておのずと答えが出てくるはずです。
結論が出ないという方は「屋根葺き替えと屋根カバー工法、どちらにするかで迷っているんだけど…」と街の屋根やさんにご相談ください。お住まいの状況と貴方のライフプランを考えた上で最適な工事をご提案いたします。