日本家屋の屋根仕上材の種類と特長・性能について考えました。
日本家屋に最も施工されている日本瓦です。
甍の波と
こいのぼりの歌にも有りますように、日本の屋根=瓦と代表されるのが日本瓦葺きです。寄せ棟・切妻等屋根形状によって屋根勾配や趣が変わり瓦種類によっても風合いが変化していきます。
耐久性については瓦自体は半永久的ですが、雨漏りの原因を発生させる危険なヵ所が多くあり、定期的なメンテナンスが建物・瓦を守る要です。
粘土を瓦状に成形し、凍害に強くガラス質の釉薬を施し焼き上げた半永久的耐久の陶器瓦。
燻して仕上げた重厚感のある、いぶし瓦があります。
日本古来の
萱(かや)葺き屋根です。
地方の民家に今も多くみられる屋根葺きの形状です。
萱を葺き重ねて雨水を流すので、屋根は急勾配に設定されている事が多いです。
飛騨白川郷集落などはこの屋根形状の典型です。
雨漏りや雪の重みでの変形が発生すると全面の葺き替えや定期的な葺き替えが必要な屋根です。
こちらも日本古来の
桧皮葺き(ひわだぶき)屋根です。
神社等によく見掛けられ重厚で広い敷地と建物、廻りの森林や緑に溶け込み風情が有ります。
萱葺きと共に、葺き替えや補修の出来る職人さんの激減で維持管理の大変な屋根です。
30年程前から日本家屋にも葺かれるようになった
洋瓦です。
デザイン性に富んで、カラフルな色合いが特徴です。
急勾配の屋根に採用する事があり、店舗の壁面やパラペット部分への装飾にも用いられます。
洋瓦の種類を表示します。
粘土を焼いてうわぐすりを施さない無釉瓦でS型・平型など日本瓦とは形状・質感ともに基本的には異なります。
スレートは繊維材料を混ぜてセメントで固め表面処理(塗装)した材料で、家屋・民家の屋根には一般的にコロニアルやカラーベストと呼称され、軽量・廉価でハウスメーカー等が採用し近年の進行住宅やリフォーム住宅に多く見られます。
表面の塗装劣化に対応する為に、定期的なメンテナンス(表面塗装)が10年内外で必要となります。
放置しますと、表面が砂状に風化してスレート本体の強度・耐久性が無くなってしまいます。
昭和30年から40年前半に多く使用された
セメント瓦です。
当時は日本瓦の形状が大半でしたが、現在では洋風のF型やS型が使用される事が増えています。
名前の通り、セメントと砂を原料としていますので、以前はコンクリート瓦と呼ばれていました。
塗料で着色するので自由な色に出来ます。
材質の為、重量が有り耐震性への対応と塗膜の劣化がデメリットとして発生します。
瓦は大きく分けて上記の種類に分別されますが、考え方や種類の分け方で多様な区分が生じます。
屋根仕上げ材としては、金属屋根等も存在しますが、今回は瓦(住居)を中心に屋根葺き材で判別しました。
ビルや工場の屋根についても今後調べてみようと思っています。
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