ベランダ・テラス屋根材

建物外部にはベランダやテラスのように外部に設置された屋根部分が有ります。
屋根材として波板や平板材が多用されていますが、強風等で飛散する事が有ります。

波板部材の20年前まではトタン等の加工鉄板で、10～15年前まではエスロンと呼ばれる樹脂製が汎用され、近年はより耐久性の有るポリカーボネート製波板がより多く用いられています。

エクステリアのポリカ平板が製造されてからは駐車場やテラスに利用されています。

波板の被害状況

突風等で波板が受ける被害の一番が飛散です。

アルミ型材の垂木にフックで固定している形状なので、フックの抜けや重なり部分の不具合が有ると、波板自体が飛散してしまいます。

この場合は建物形状や風向き・突風の強さや時間等により、写真のように中央部のみとか端部のみ又は全面飛散と被害状況が変化します。

従来使用されていたエスロン等樹脂製の波板は劣化でも破損して飛散します。

左写真は波板の劣化により耐久性が無くなり破断し飛散した状況でフック部分波板が残存しています。

以前よく使用されたプラフックは劣化が早く右写真のようにフック自体が無くなり、端部の波板が飛散していて放置しますとほぼ全面飛散し波板が無くなる状態となります。

平板の被害状況

ポリカーボネート平板は近年の普及で耐久性も保持されていますが、波板と同じく平板自体が飛散する場合が有ります。

3階ベランダに多用され風の影響を受けやすいヵ所での飛散が多く見かけられますが、平板を留める押え縁が確実に施工されていない場合やポリカ平板の加工時の寸法不足等が原因として考えられます。

耐久性・強度に秀でたポリカーですが、右写真のように瓦等の飛来物ですと平板自体が衝撃に耐えられず破損する事例が生じます。

その他の被害原因

駐車場屋根の現地調査の様子が左写真で、トタン波板屋根が経年劣化に伴い錆が発生して穴が開いた状態で、張替せざるを得ない状況でしたが、錆が発生した当初の時点で錆止め・塗装のメンテナンスしておけば、屋根そのものの寿命が延びていたと思われる事例です。

ひと昔前までのエスロン波板は経年劣化でもろくなり、破断を起こしてちぎれた様に破断したのが右写真の様子です。

現在使用されているポリカー製より耐用年数がかなり短く、耐久劣化や雨溜りでの変色劣化も顕著に見受けられ、波板自体が脆くなり破断・穴明きが発生します。。

付帯品の劣化

平板や波板を張替る時に付帯品の劣化や不具合が見られます。

軒樋に枯葉や砂塵の堆積により軒樋が詰まった状態をよく見かけ、左写真はコケまで発生しています。

詰まった状態で放置すると排水竪樋迄詰まるのと屋根内側への雨漏れ等も発生します。
軒樋の堆積は張替時に露見するので厄介な不具合です。

屋根からの排水竪樋にジャバラが設置されていますが、劣化により腐食し屋根の雨水がベランダなどの床面に飛散する不具合が生じます。

何故 屋根材だけが飛ぶのか

下地枠は残っているのに、屋根材のみが全面飛散したり一部だけが飛んで行ってしまうのは？
とお客様からの質問をよくお聞きします。

ベランダやテラスの製造メーカーは屋根材と枠組み材の耐風試験を重ねて、建物への被害軽減を図ってメーカーにより設定は異なりますが、一定の突風で平板や波板の屋根材のみが飛散して骨組みと建物自体への影響がないように設定されていますので、私達から見れば不幸中の幸いと考えるべきだと思います。