瓦屋根の雨漏り原因と問題点について考えてみました。
先日の大阪北部地震や、7月豪雨の影響で各地から被害の点検・補修の問い合わせが続いています。
今回は、地震や風水害時に見られる不具合点を日本家屋に多く用いられる瓦で考えてみました。点検・調査に伺いますと漏って当然と言った状態やなぜ?こんな補修をしたのかという疑問が湧いてくる事例をよく見かけます。原因と問題点に考えてみました。
隣接した家屋のTVアンテナが老朽化してトラワイヤーも腐食、強風により転倒 屋根瓦を直撃穴があき野地板迄突き抜けて雨漏りが発生しました。
現在はケーブルテレビ等で独立アンテナは減っていますが、まだまだ屋根上のアンテナは存在します。
アンテナ以外にもベランダや屋根に設けてある設備が、堅固に設置して有るかを専門業者に確かめてもらう事も家屋を守る方法です。

中央の写真は築不詳の平屋瓦部分ですが、棟瓦・のし瓦下の面戸漆喰が崩れ落ちて鉛シートで雨押えをしています。

ケラバ瓦も落下していて、通路の通行も不安です。
部分補修をさせて頂きましたが、早期に専門業者に依頼していれば廉価で手早く処置出来ていたと思われます。

右写真は、屋根上に物干し場を日曜大工で設置され年数と共に瓦の割れやズレが発生していました。

基本的に屋根上に偏った荷重をかける事は、現在の建築基準でも考慮されていません。

3事例とも基本想定外の問題点ですが、安易な考えを除いていれば雨漏れは未然に防げて家屋の寿命も延びていたと思われます。
のし瓦の漆喰が欠落してテープ止めで補強していますが、漆喰がハガレ落ちしだしたら漆喰部分の塗替えで補修する事が肝要です。
面戸漆喰はのし瓦や冠瓦と地瓦(平瓦)との雨水を導くための土台部分です。
土台が崩れては、のしや冠も持ちこたえませんので平瓦への雨水浸透ひいては階下への雨漏りに続いて行きます。
漆喰はのし瓦より出ないように又沈み込み過ぎないようにと、熟練帆座が必要です。
右写真では、平瓦小口に雨避けと考えたのかコーキングを施しています。
下端部分にシール止めは瓦の特性上最も非合理な処置です。

専門外の方が補修されたお宅では、この状況が頻繁に見受けられます。

便利だから・安価だからとか、訪問補修で不安を投げかけて高額請求や手を抜く業者が未だに居る事は嘆かわしい事ですが、業者選定や問い合わせに十分注意して屋根・瓦そして建物全体を永く使って頂きたいものです。

建物の土台は基礎ですが、屋根は雨・風から家屋を守ってくれる重要な部位でも有ります。
しかしながら、雨漏りを引き起こす部位でも有るので補修・メンテナンスは必ず必要なので、専門業者に適切な作業をしてもらう事が建物を守る一歩だと思います。
特に日本瓦は瓦職人・瓦業者の激減で施工の煩雑さも加わって安直な補修で済ます事が多いのですが、信頼出来る業者選択も建物を守る方法です。
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